シフトアップのその先へ

最高の相棒と、どんな道も、どこまでも

舌鼓を打ち~寸又峡ツーリング①

5月最終週の週末、朝靄の抜けきらぬ時間帯に目覚めた私は、起き上がりせっせと出発の準備を始めました。 薄手のシャツを二枚、その上にパーカーを一枚重ね、更にジャケットも一枚羽織りました。下も重ね穿きをします。 日中は25℃まで上がりますが、朝晩は冷…

持ち寄りパーティー~箱根林道ツーリング 後編

「こじかさーん、さっきは大丈夫だった?」 休憩のためバイクを停めてすぐ、降車したKさんが聞いてきてくれました。 「バイク、どこも歪んでない? どこか打たなかった」 「はい、大丈夫みたいです。ありがとうございます」 Kさんには全く非のない事にも関わ…

近くて遠い~箱根林道ツーリング 前編

『ヤバい、集合時間に間に合わなそう』 前方を走るヨシさんがインカム越しにそう言ってきたので、私は『マジか…』と呟きました。 それはGW初日の朝。 私とヨシさんは箱根を目指して走っていました。 集合時間は午前10時とゆっくりめ。しかも箱根は僅か数10km…

ほうとうと紅葉を求めて

『なんだ、結局海沿いに出るならいつものルートで良かったじゃん』 前方のフューリーに跨るヨシさんに言うと、 『確かに。あのクネクネ道はなんだったんだ』 と笑いながら応えました。 『もぉ~グーグル先生に騙された』 『だねぇ』 二人で笑い合います。 そ…

富士麓ツーリング 最終章

ダートを抜けると、なだらかな舗装路へと出ます。 『俺ここの景色好きなんだよね』 『うん、私も~』 丘が連なる場所へと出ました。 ここは春に来れば若葉が美しく、秋はススキが一面に広がるのです。今は夏なので、色濃い緑の草々がさわさわと風に揺られて…

富士麓ツーリング②

ダートに入った途端、振動が身体中に伝わってきました。 『…あれ? ここ、こんなだったっけ』 『ん?』 私の呟きに、前方のヨシさんが首を傾げる素振りをしました。 前回ここを走った時には初心者向けのどフラットダートだと思っていたのに、今は砂利による…

富士麓ツーリング①

8月後半、土曜日の朝。 まだ夜も明けきらぬ茫洋とした薄闇の残る時間帯に、私は久しぶりにバイク装備を身につけ家を出ました。 待ち合わせ場所に到着しほどなくして、ヨシさんの赤いセローが滑り込んできます。 「おはよー」 私が言うと、 「おはよう! なん…